ゴッド・オブ・ウォーラグナロクを遊んでゲームは進歩の余地がまだあると感じた

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ゴッド・オブ・ウォーとは?

ゴッド・オブ・ウォーはPS2から続く人気タイトルだ。PS2からPS3にかけてシリーズ1作目から3作目が発表され、PSPでも2作品が発表されている。

パート3で物語は完結したがPS4でサブタイトルを取っ払い、”新生ゴッド・オブ・ウォーとして新規に展開。サブタイトルは無いものの、主役のクレイトスは続投で物語も続いてるため、パート1から始めるとより楽しめる内容となっている。が、PS4のゴッド・オブ・ウォーから始めても特に問題はない。

前作がおそろしく高い完成度だったが、今作も負けじと濃密な体験となっているので紹介していく。

アクションゲームの完成系

ゴッド・オブ・ウォー以上に面白いアクションゲームを教えてくれと聞かれたら、それは極めて難しいと言わざるをえない。

ラグナロクのアクションはキャラを操作することの面白さが一線を画している。ボタン操作でスムーズに展開しながらも劇的で目を見張るカットが多く、かつ敵と自身のアクションの動きをしっかりと理解しなければならないという戦略的要素もあり、困難を突破したときの達成感は非常に高い。

アクションゲームの在り方は、デモンズソウルやダークソウルといったソウルシリーズが登場してから大きく変わった。

ソウルシリーズ以前は、一方的に敵を殴り続けることで爽快感を演出していた作品が多かったように思う。それは裏を返せばゲーム性は単調になりやすいということだ。

ソウルシリーズは自身が振るう武器のクセやスキを理解する必要があるし、敵の動きのパターンを見出さなければ攻略が難しいゲームだ。つまり、ただキャラを育てて圧倒的なステータスで殴るだけではクリアできない、プレイヤー自身も成長する必要があった。

前作ゴッド・オブ・ウォーや今作ラグナロクでは、ソウルシリーズ的戦略をゲーム性に取り入れつつ、ソウルシリーズにはない劇的でついつい見惚れてしまう、美しく流れるようなアクションを繰り出すことができる。これは今のパワーを持ったゲーム機でなければできない、テクノロジーを駆使した極上のエンターテイメント体験だ。テクノロジーが可能にした我々の新しい体験とは何か?それを紹介していこうと思う。

戦略的で目を惹くアクション

ゴッド・オブ・ウォーは理想的なアクションゲームだ。歯応えのある難易度で、雑魚敵でも気を抜くことは許されない。油断するとあっという間にゲームオーバーだが、自身の技のクセや敵のパターンを理解すれば一方的に攻撃し続けることも可能だ。ゲームの進捗で手数が増え、魔法も使えるようになるなど、激しい戦闘を切り抜ける方法はプレイヤーの発想次第でいくつも編み出せるようになっている。

演出面にも妥協がなく、上手く攻撃を繋げることができればド派手なカットとスローモーションが、脳内でアドレナリンを爆発させること間違いなしだ。

充実した探索要素

探索要素が退屈なゲームは珍しくない。探索要素は比較的簡易にゲームにボリュームを出すことができることから、長らく使い古されたシステムだと言える。探索要素を面白くするというのは意外と難しく、面倒なお使いとしてプレイヤーに嫌われることが多かった。

ゴッド・オブ・ウォーの探索要素は絶妙なバランスに仕上げられている。時間を多大に割かれることがなく、適度な難易度で、見返りはとても大きい。自身の体力を伸ばすだけでなく、放てる魔法や技が増えることに直接関係するものが多数用意されている。また、道中で仲間との会話劇や掛け合いが面白いのもポイントが高い。

高次元のグラフィック

今や実写とCGの差が無くなりつつある現代において、高精細で美麗なグラフィックという謳い文句にどれほどの価値があるのだろうか。

私が直近で感動したCGはメタルギアソリッドVファントムペインだ。物語の冒頭、ヴェノムスネークが目覚めてすぐ、病院の床を這いながら脱出を試みるシーンだが、プレイヤーは上半身裸のスネークの背中をしばらく見守ることになる。その背中を見ていると、床を這うたびにスネークの筋肉が収縮をしていることに気がついた。驚くほど違和感なく、人間の筋組織の再現をしていたのだ。

要するに、美麗なグラフィックを手にした我々が目指す次のステージは、その高度な技術で何を再現するかのように感じる。

ラグナロクは雪の描写に強い拘りを感じる。世界を冷たい雪で覆うことで滅びへの道を表現したラグナロクは、雪の冷たい鋭さを強く演出させる必要があったのだろう。

中でもクレイトスが持つ斧、リヴァイアサンの放つ冷気の斬撃と魔法は、魔法というより、本当に自然の猛威の一瞬を気切り抜いたかのようなリアリティがある。

総じて

遊ばないのは勿体無い作品。次世代ゲームの可能性を存分に感じられる作品と言えるだろう。恐ろしいことに、ラグナロクはPS4版と縦マルチなため、まだPS5の性能を使い切っていないという。今後は次世代機に絞ったゲームが更に増えるだろうし、ゴッド・オブ・ウォーもそうなるだろう。

もしPS4からの新シリーズをまだ遊んでいないなら、是非手に取ってほしい。

何より、クレイトスの我が子の未来を想う心と、過去から積み重ねてきた残虐さのせめぎ合いが面白く、不器用な父親の等身大が垣間見える。


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