【迷ってるなら観るべし!】ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーはどんな映画だった?

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マリオのオカン

おったんかい。

というわけで誰にだってオトンがいればオカンもいるんです。何も問題はない。

マリオの家族登場にそれなりに驚きましたが、どういうわけか特に違和感がなかったのはやっぱり任天堂のテコ入れが大きいのでしょうか。マリオに多大な思い入れがあるのかと聞かれればそこまでなのですが、それでも幼少期はそれなりにマリオで遊んでいたし、オデッセイも遊ぶくらいには好きだったので私も観に行きました。

結論としては良かったです。王道です。何も心配はいらない。

今度のマリオは3枚目

マリオって意外とキャラが掴めないと思うのは私だけ?

マリオに比べるとルイージやクッパってキャラがはっきりしてるよな〜。ルイージはホラーゲームの主役を張っていたこともあって、少し頼りないビビりのイメージがあるし、クッパは尊大だけど憎みきれない敵役で有名。

でも主役のマリオって意外と固定されたイメージがない。マリオカートだとキメ顔でドリフトする2枚目だし、マリオゴルフだとかなりの強敵で、当時幼かった私を苦しめたことは決して忘れない。でもマリオブラザーズみたいにタヌキの尻尾を生やすコミカルさもあって、そのキャラ性は非常に多様に思える。

そして格好よかったりコミカルだったりと、実は人間の様々な表面を詰め込んだものがマリオの正体だったりする。

もしそんなキャラのイメージを狙って造形しているなら、任天堂のモノづくりに対する情熱は驚嘆に値するといっていい。何故ならキャラクターとは作品のとある側面を背負って登場するのが常であり、その殆どはポジティブかネガティブといった一面生しか描かれることがないし、格好よさと情けなさの双方を違和感なく成立させるというのはそう容易ではないのだ。

というわけでゲーム毎にそに顔を変えてきたマリオなわけだけど、本映画ではそんなマリオの様々な顔が惜しみなく観れる。しがない配管工屋かと思えば、いざというときは頼れる兄貴でもあり、ころころと変わるキャラ性に違和感はなく、そのどれもがマリオの姿なのだと感じることができる。

きっとこの映画はクリエイターから深く愛されている。

マリオの世界設定

実は異世界物です。

マリオで異世界って字面で見たらそんなアホなとなりますが、いやはや本当なんですよ。

というのもマリオとルイージが暮らす世界はアメリカのブルックリンで、配管工事中に得体の知れない配管に吸い込まれると、その先にはピーチ姫が治めるキノコ王国と繋がっていたというのが冒頭の物語だ。

おい!マリオも異世界モノかよ!と思ったのも束の間、あれ?よく考えたらゲームもそうじゃね?と思い直した。

だってオーバーオールを着た男とお城に住むお姫様ってどう考えても同じ文明とは思えないし。実は想像以上に原作に忠実なんじゃないかという結論に着陸したわけだけど、実際のところどうなんだろ?

悪の様式美

もちろんクッパのことです。正真正銘の悪役なのは間違いないのですが、どこか憎めないのは妙に純粋だったりするからか?

実はピアノが上手いというのは古代より受け継がれ続けた悪役の様式美。ダークマン3にもそんな奴いたしね。つまり任天堂と同じ路線を突っ走ったダークマンは王道。

そして実は劇中で最も見せ場が多いキャラだったりする。ピーチ姫に「なんであなたと結婚しなきゃならないのよ!」のセリフに対し、困り顔で「だってするかな〜と思って」というセリフは秀逸。結婚して当然。むしろなぜいけない!?という尊大さと不器用さがこの一言に詰め込まれている。

愛に偽りはないものの、行動が自己中でただの迷惑な輩というのは社会に常駐するセンシティブな問題だと言えなくもなく、まるで過去の自分の過ちを見せられているかのような錯覚に陥り、懺悔の感情が湧いたのは私だけでいい。

総じておすすめ

おすすめです。映画や小説は毒が無いと見る気がしねぇと偏屈凝り固まった固定観念がある人には受けないかも。

私も映画は毒があるほど面白いと思う人種ではありますが、そんな映画は一緒に観てくれる人がいないわけで、マリオのように大人も子供も夫婦もカップルも分け隔てなく観るに耐えうる映画のありがたさって、おっさんに一歩足を踏み入れたくらいの世代ほどよく分かるんじゃないでしょうか?

この映画のようにコミュニティの醸成を担ってくれる映画って本当に少なくなったと思う。

性別や世代が違えば壁ができる。だから少年誌やら少女漫画のようにそれぞれのコミュニティへと区分けして平和が保たれるわけだけど、本作は老若男女が楽しめるようになっている。

多くの世代が関わったコンテンツだからこそ可能にしたのだろう。

モノづくりの愛に溢れたザ・スーパーマリオブラザーズムービー。

ぜひ誰かと一緒に観に行ってほしい一作。

ま、捻くれた映画が好きと言う人の期待にはもちろん応えられないけどね。


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